「木曽八景 第七回 小野瀑布」 

■「白妙(しろたえ)」というのは、コウゾという植物の皮の繊維で作られた白い布のことである。
…春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山…という持統天皇の歌でも有名である。

滝のことを「瀑布(ばくふ)」と呼ぶのも、それが高いところから垂らした白い布のようであるからだ。

小野の滝は、上松宿と須原宿の間、「寝覚めの床」に程近い場所にあって、木曽路の旅人が咽喉の渇きを癒し、ひと時の安らぎを得る場所だったという。

歳三たちもしばし足を止め、滝の水を求めて近づいていったかもしれない。
そして目にした滝の姿は歳三好みの情趣に満ちていたようである。

滝を流れ落ちる水の描く細やかな筋が、あたかも白い布を手作りしているかのように見えるというのだ。

「しろたえにみるひとすじ」の音の響きがとても綺麗だと思う。まったく歳三という人は、「白いもの」を詠ませたら右に出るものはいない、と言い過ぎたくもなる(笑)

(2006 4/27)

しろたえに  みるひとすじは  てづくりの  それとまがう   おののたきつせ
志ろたえにみ類ひとすじは手都くりのそれとまがふをのの瀧つせ
小野瀑布
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