毎日毎日 凧のうなりが聞こえる 夕食のお膳に向かう時間
「うなり」とは江戸角凧に特徴的な「音響装置」のようなものである。
凧の横幅の倍位の長さに裂いた弓形の籐を凧の上部に載せて揚げると、風を受けて「ブーン」という音を出して震える。
籐の代わりに鯨のヒゲを使った地方もあったらしい。
「ブーン、ブーン」という凧の「うなり」を聴きながらの一日が過ぎようとしている。
夕餉の時刻になってもまだ名残惜しそうにどこかで「ブーン」という音がしている。
おなかがすくのも忘れて凧揚げに夢中になっているところをみると、負けず嫌いの誰かが、凧に改良を重ねて研究でもしていたのだろうか。
ちょっとした「凧ブーム」があったのかもしれない。
(2006 3.27)
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