白い牡丹
月夜のたびに
更に白く染めて欲しい
白い牡丹の花を、月の光でさらにいっそう白く染めて欲しい…
という意味なのだろう。
発句集の中で一番「白さの冴える」句だ。
歳三の「白」に対する憧れはこれまでも何度も見てきた。
雪、白梅、月、そして「白牡丹」
小説「燃えよ剣」で歳三が最後まで愛した女性の名前もまた、白にちなんだと見える「お雪」だった。
現在我々は、写真に残された歳三の姿を見ることが出来るが、その軍服の黒と襟元の白さの鮮やかな対比に、幕末のベストドレッサーとでもいえる歳三の美学を感じ取れる。
歳三は白の似合う男だった。
その白は決して汚されてはならなかった。
歳三は愛した花たちさでえも、
あでやかな色彩よりも、更に気高く白く染まることを望んだのかもしれない。
(2006 3.23)
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