お寺の門の向こうに
春の月が見える
山門」というのは寺院の正門のこと。
その山門に月がかかる春の夜の風景を詠んだものである。
「山門を見越す」というのは「山門の向こうに見える」ということなのだろうが、山門の上空に高くかかる月をいうより、山門ぎりぎりの高さにあるような雰囲気がする。
それはともかく「見こして見ゆる」とは…(笑)
粋な黒塀見越しの松に…などという歌の文句もあるが、「見越し」というのは「間を隔てているものを通して見る」という意味がある。
「見越す」自体にすでに「見えている」という意味が含まれているのだから、「見こして見ゆる」というのはいささかしつこい言い回しかもしれない。
だからといって、粋な山門見越しの月に…というわけにはいかない(笑)
さてどうするか。
山門を見越して春の月に逢ふ…とか。
(2006 3.20)
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