武蔵野だ
酔いが強く回ってくるよ
花見の酒
「花見酒に酔いつぶれました」
仲間との花見についつい許容量を越えて呑んでしまい、
帰る頃になって「脚に来た」ということだろう。
「源さん」あたりに背負われていく様子などを想像してしまう。
歳三はもともと酒は強い方ではなかったのかもしれない。
発句集のなかでもはっきりと酒をテーマに詠まれたのは、この句と前出の「丘に居て」の二句だけである。
花見を楽しんでから数年、幕末史に影響を与えていく試衛館の面々だが、穏やかな春の一日にちょっぴりはめをはずしてみたり、今ともそう変わらない、ごく普通の若者たちだったのだ。
(2006 3.19)
「武蔵野」には「大きな盃」との意味もあるらしい。
なんでも、昔の武蔵野は見渡す限りの野原だったから
「野見尽くせず」すなわち「飲み尽くせず」なのだと(笑)
江戸時代はこの手のオヤジギャグの宝庫なのだ。
歳三は大杯で一気飲みでもやったのだろうか…
(5.10追記)
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