「豊玉発句集」  WhiteWind歴史館
丘に居て呑のもけふの花見かな
第十八回
おかにいて のむのもきょうの はなみかな

丘の上で酒を飲むのは
今日が花見だからだよ




武蔵野の丘だろうか。満開の桜の下で、花見の宴を広げる未来の新選組。
気心の知れた仲間と飲む酒は、きっと楽しいものだったに違いない。

一般に荒くれ男たちが集まれば、酒はつきものだ。
壬生浪士隊と名乗っていた頃の局長のひとりである芹沢鴨は、大酒で身を滅ぼしたような人物だったが、歳三が酒で何か失態をしでかしたという記録はない。

のちに箱館戦争の最中、部下に酒を振舞った時も、
「好きなだけ飲ませてやりたいのは山々だが、今は深酒はしてはいけない」と一杯ずつにとどめさせたという逸話もあるくらいだから、日頃からきちんとわきまえた酒の飲み方をしていたのだろう。

歳三は酒より団子より花、の人だったのかも知れない。

(2006 3.19)


HP無料素材のWhiteWind本館     WhiteWind歴史館TOP 豊玉発句集TOP