手のひらを硯にしよう 春の山 試衛館の仲間と連れ立って花見に繰り出す歳三。 美しく花の咲き乱れる春山の景色を見て、歳三の中の豊玉先生が黙っているわけはない。 ひとつ花見の句でもひねろうかと思ったが、あいにく矢立(携帯用の筆と墨のセット)を忘れてきてしまった。 それじゃあ仕方がない、この手のひらで墨をすってでも、一句を書きつけてておかねば、この絶景が体無いなあ、と。 すでにほろ酔い気分なのか、おおらかな詠みっぷりの歳三である。 そして花見の宴はつづく… (2006 3.19)