毎年のように折られた結果
今の梅の姿があるのだね
何年か前に、認知症老人の介護をテーマとする「折り梅」という映画があった。その中に出てくる言葉にこういうものがある。
「梅は枝を折って活けても、皮から養分を吸って咲き続けるから『折り梅』と言うんだよ」
確かに梅の木というのはたくましい。折っても切られても、やがて新しい枝を伸ばし春になれば芽吹き花を咲かせる。
むしろ何度も枝を切られた梅のほうが、良い花や実をつけるものだともいう。
多摩の農家の出身だった歳三は、大きく変わり行く時代の間にあって、武士よりも武士らしくありたいと切実に願い、その思いを遂げていった。
その生き様を支えたもののひとつに、風雪に耐え試練を越えた梅の姿への憧れは確かに存在していたと思う。
(2006.3.8)
|