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「豊玉発句集」  WhiteWind歴史館
井伊公君
 ふりながらきゆる雪あり上巳こそ 
第三回
ふりながら きゆるゆきあり じょうしこそ

降ってくる間に
消えていく雪がある
まさに三月三日


万延元年(1860)三月三日、江戸城桜田門外で時の大老井伊直弼が水戸・薩摩の浪士により暗殺された。

冒頭に「井伊公君」と添え書きがしてあることから、この句は桜田門外の変で横死した井伊直弼への歳三の心情を表現したものだ。

「上巳(じょうし)」というのは陰暦三月三日のことである。
「ふりながらきゆる雪」とは、時代の中にはかなく消えていった井伊直弼そのもののようでである。

この事件がその後の世の中の流れに与えた影響の大きさは言うまでも無い。
「浪士隊」としてやがて京都へ上ることになる歳三たちの運命の歯車が、確かな音を立てて回り始めた日であったのだろう。

当然ながら当時を生きていた歳三たちは「幕末」だなどとは思っていない。
血に染まった雪の上に、無常の時間が白い雪の形を借りて降り積もっていく姿が見えるようだ。

(2006.3.1)

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