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装束(しょうぞく)とは単なる服装ではない。

それを身につけることに様式や格式といった特別な意味合いを伴う衣服である。


江戸時代は幕府の権威付けのために、武士の中にあっても官位や格式や身分が細かく規定されていた。

それらの差を一番はっきりと示すことができるのが「装束」であった。


いうまでもなく、江戸時代は「士農工商」の身分があった。「士」すなわち「武家」の身分は封建制の最上位であり、

たとえどんなに武士の中で低い身分であっても、その他の身分とは絶対的に異なるものであった。


「武士は食わねど高楊枝」などといわれるほど、武士はやせ我慢をしてすら誇り高くあらねばなかった。

それはおのずと「服装」にも現れていたのである。

武士にのみゆるされている服装、武士ならばありえない服装などというものも当然存在していた。


将軍から浪人まで、さまざまな武士の装束をみていくことでも、江戸時代を興味深く探ることができると思う。

第一回 高級武士の装束 〜将軍家・大名・旗本など
第二回 下級武士の装束 〜御家人・中間・浪人など
第三回 仮名手本忠臣蔵と新選組の装束比較(近日追加予定)

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