初代家康・2代秀忠・3代家光
植物の葉の写実的な印象がまだ強く残るデザインである。
4代家綱
葵の葉脈の模様が、前代のものは葉の付け根から放射状に出ているが、これは魚の骨のように平行に出ているのが特徴である。
家紋の資料によるとこれは「河骨(こうほね)」と呼ばれる葵とは別の植物を表しており、将軍家と同じ葵紋をつけるのを憚った徳川一門の松平氏などが良く用いたとのことだ。
下記の家門・親藩の三つ葵の一覧を見ると、会津松平家は明らかに「河骨」タイプであるが、「会津三つ葵」として紹介されている場合が多い。
江戸時代の初めと終わりに純然たる葵、その他は河骨タイプが将軍家で見られた理由を今後調べてみたいと思う。
5代綱吉
葉脈並び方は家綱と同じ「河骨タイプ」だが、微妙に数が多いようだ。
また、葉の付け根も太くなり、デザイン性が増している。
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6代家宣
綱吉と類似のデザインではあるが、明らかに葉脈の数が多い。
8代吉宗
綱吉の頃のものとほぼ同じようである。
9代家重・10代家治・11代家斉
葉脈の並び方は家康時代の「葵タイプ」に戻った。葉脈の数も減り、初期の三つ葉葵よりもずっとシンボルデザインとして洗練された印象を受ける。
いわゆる「徳川家の葵のご紋」として我々が最も思い浮かべるのは、このタイプかもしれない。
12代家慶
三つ葉葵の外周りが丸ではなくて八角形になっているものである。
これまであまり目にしてこなかった。
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